水たまりの民 ちいさなひとり言
浅香 葉菜

水たまりでいきていたので
干からびそうになってはじめて
陸というものをしりました

底というのは
怖いものではなかったのですね

こんなにもすぐに
わたしをつつんでいたものが
消えてなくなってしまうことが
恐ろしいけれど


水たまりでいきていたので
地にカラダがふれてはじめて
うえとしたというものをしりました

漂うだけでは
もう済まされないようです

なにが済まされないのか
よくわかりませんが


ただ
水たまりでいきていたので
重力というものが
しんどくてたまりません

次の水たまりをさがします


また会えたらいいですね


自由詩 水たまりの民 ちいさなひとり言 Copyright 浅香 葉菜 2012-01-23 13:47:29
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