吐く
faik

そうして僕は
君の肢体に
必要以上の嘘を吐く

生きている
死んでいる
育っていく
腐っていく

うねうねと
まっすぐに
はじらいもなく
慈悲もなく

まるで天女の装いで
純心片手に
天へと昇る


それはなにより
シンプルなこった
どう足掻こうと媚びようと
てめえに主軸などないのですから

あっちに絡まり
こっちに絡まり
やいのやいのと皮相を巡り
立ち止まっては空回り
おどけるタイミングも合わず
はにかむタイミングも違え
だがその実、人の真意に興味など持ったことはなく
防衛本能を盾に馬鹿のフリをし
それもまた心意気、と自分を正当化し
一人、にまりとほくそ笑む


そうして僕は
君の肢体に
必要以上の愛を吐く


笑んでいる
やんでいる
生きていく
死んでいく

よちよちと
所在無く
艶かしくも
儚くもなく

まるで悪女の装いで
疑心片手に
地に落ちる


そうして僕は
幸福だ

からっぽのまま
幸福なんだよ


自由詩 吐く Copyright faik 2012-01-16 18:55:21
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