暗い風
浩一
ほかに意中のひとがいる
と聞かされた時に
おれの足は地面に
10cmばかりめり込んだ
だから それから
おれはひたすら
しがないシガーを口に咥えて
ただただ青い空を見ている
あなたが お互いの劣等意識
を共有できる
唯一の女性に思えたんだ
あなたの健気な横顔をいまでも忘れない
ひとづてに聞いたんだ
もうしつこくしないでくれと
おれの顔は敗れた
破れた
今夜も橋のうえに暗い風が吹き
とおく白いお城のようなものが視える
自由詩
暗い風
Copyright
浩一
2012-01-08 02:05:51
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