砂漠と蟹味噌と僕の関係
スネカズラ
蟹がいた
砂漠の真ん中に。
細い車輪に踏まれてつぶれたようだった
雨が降っていた
雲は見当たらないが・・
光が満ちていた
太陽は見当たらないが・・
つぶれた蟹に
小さなスプーンが刺さっていた
僕は屈んで
そっと、蟹味噌を掬って食べた
ふと気付いた
僕は砂漠に立っていた
それは 僕は砂漠に立っていたかったからだ
そう、気付いた・・
蟹味噌は
雨のように、
太陽の光のように、
僕のからだの一部になった
なにしろ
ここは砂漠だから
太陽は見当たらないが、光が満ちていた
雲は見当たらないが、雨が降っていた
砂漠の真ん中で
蟹がつぶれて死んでいた