砂漠と蟹味噌と僕の関係
スネカズラ

蟹がいた
砂漠の真ん中に。

細い車輪に踏まれてつぶれたようだった



雨が降っていた

雲は見当たらないが・・

光が満ちていた

太陽は見当たらないが・・



つぶれた蟹に
小さなスプーンが刺さっていた
僕は屈んで
そっと、蟹味噌を掬って食べた


ふと気付いた  
僕は砂漠に立っていた
それは 僕は砂漠に立っていたかったからだ

そう、気付いた・・


蟹味噌は
雨のように、
太陽の光のように、
僕のからだの一部になった
なにしろ

ここは砂漠だから



太陽は見当たらないが、光が満ちていた
雲は見当たらないが、雨が降っていた


砂漠の真ん中で
蟹がつぶれて死んでいた



自由詩 砂漠と蟹味噌と僕の関係 Copyright スネカズラ 2012-01-05 22:50:46
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