くすり
榊 慧

蛍光色

近い色合いの、液体
を飲む。


島と海

錠剤。
食べ過ぎたおれ
は死ぬ
こと

せん妄し、
雑巾
を絞る。
壁を拭く。
硝子障子

なでる。

地球儀が一人
また二人、
三人、
増えはしない。
一人、
が、
措かれている
何も
なつかしくなどは無かった。


刺繍

描かれ
た。

「世界は」
「刺繍」
「で、」
「描かれ」
「ました」
雨の中に。

影は消えた
もとより無かった
本当に謝った
すばらしい楽器であった
船灯は暗さをあらわすように今も光っている、
日が透けた、
コンサータは噛み砕いては
「行けません」。
「おれは」
「おれは」
甘すぎた。



自由詩 くすり Copyright 榊 慧 2011-12-30 14:23:05
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