古雑誌
まーつん

自分に飽きてしまった
自分という人間に
読み古した漫画のように
この心は何の刺激も与えてくれない
年明けとともにカレンダーを張り替えるように
自分という人間そのものを 刷新してみたい

ばかげた望みだろうか
人は笑うだろうか
景色のほつればかり追いかけるこの目に
他人行儀な言葉しか吐けないこの口に
落とし穴にばかり向かいたがるこの足に
むなしく過去を撫で回すばかりのこの指に

飽きてしまった
清潔なトイレの水を
拭いたばかりの窓ガラスを
おろしたてのボールペンを
僕はうらやむ
この心は濁り
この目は曇り
この言葉はもう 新しくはないから


自由詩 古雑誌 Copyright まーつん 2011-12-28 00:24:50
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