ねむり姫。
愛心

[彼]はわたしに
それはそれは甘いキスをするのです。



眠りひめ。




熱い身体を覆い尽くして
まるで溶けてしまいそうになる。

逃げられない。

言葉も意識も喰われて
抗えないそれに溺れて。

ただの呼吸すら閉じ込めてしまうほど
わたしの腕ごと強く抱き締めて。

沸き上がる
痛みと快楽と一匙の恐怖。

コーティングするのは
ざらつくシュガーを塗した
[彼]の落としたしずく。

名付けるならば
【Drop of The sandman】

なんて蠱惑的で美味しそうなんでしょう。

口に含んでそのまま口付けて
見いられたわたしは
静かに息を止める。

死因は[彼]に溺れたから。



甘い甘い窒息死。



自由詩 ねむり姫。 Copyright 愛心 2011-12-27 10:55:35
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