にかいめのせかい
ホロウ・シカエルボク



うたはひと息で
きみの
パーソナルなシールドをくぐり抜け
にくたいのホールで
まっとうな反響をくり返す


ソング


きみの奥底に眠っていたもの
ソング
きみがほんとうに欲しかったもの
ソング
うわつらの悲しみに塗りたくられた世界が
いま
かさぶたのように剥げ落ちる
ソング




こころ
にくたいの外におどり出ろ
こころ
おまえはむきだしのまま
なにもかも飲みこんでおまえにしてしまえばいい
ほんとうの通信は
ダイヤルを合わせる必要が無いぞ、ワーオ
おまえはにくたいの外におどり出る
過去世を抱いて生まれなおすように
すらり
刀のような切れ味だ


あたらしい夜明けのなかにおまえがいる
水素を注入された風船のようにみなぎったおまえ
動力もなく上っていけるだろう
風が思いのままに
おまえをどこまでも運ぶだろう
流れ着いた場所で舐めた土の味、それがその日の生業
あたらしい夜明けの中にはいつでもおまえがいる
もうどんな思想も、どんな色も、どんな戦略も、おまえを塗りつぶすことは出来ない






おまえは
たましいの外に出たのだから




自由詩 にかいめのせかい Copyright ホロウ・シカエルボク 2011-12-17 13:24:49
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