満月
灰泥軽茶

雲がゆっくり流れて
いつもより大きな満月が
空に浮かんでいる

淡い光で染まる心は
柔らかく膨らんでいき
空に浮かんでいる

こころなしか風があたたかいのは
生きているものがすべて起きてきて
月を眺めているからなのかな

こんなに明るい電気に囲まれて生活しているのに

晴れた満月の夜には
色んなものがくっきりと輪郭を持ちはじめ
小さな虫や雑草たち
用もない看板や錆び付いた缶からやらまでも
生命を解き放つ










自由詩 満月 Copyright 灰泥軽茶 2011-12-10 02:48:37
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