ナイルの畔にて
梅昆布茶


闇を溶かしてながれるナイルの畔にたたずむ

星の光りを映して夜は長い



地中海のあおのために漆黒の時間がある

エーゲ海

アドリア海

チレニア海

イオニア海

黒海


東洋と西洋のはざまがボスポラス海峡にけむる


アトランティスは僕たちになにを遺してくれたのでしょうね


人類の原型はいまもサハラ砂漠の彼方に眠っているのでしょうか


アルデバランが紅くかがやいている

あるいは南十字星のマゼラン星雲のわずかな光芒に

僕たちの一万数千日のいのちは照り映えるのでしょうか


風立ちぬ

いざいきめやも


すべてを投げうってもやはりあなたの

小さな愛だけが欲しいのですね


ナイルは暗く深く流れて行きます

透徹した理性なんて欲しくもありません

充実した人生なんて結果論


やさしい風が吹いていますね

ボブディランが答えは風にきけと言っていますが

ナイルの畔は今日も闇です







自由詩 ナイルの畔にて Copyright 梅昆布茶 2011-11-20 04:53:24
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