遺される
伊月りさ

代わりなどなりえない者のことばしか震動させないわたしの空気



残像を遠ざけるように海をみているうつくしい海をみている



右下の頁の数がにじんでく、数えられないあなたが増える、



骨よりもかたい徒渉の足首を引き込もうとする夜、水の音



寒朝の香あたためるマグカップ、遺ったからだを確かめる舌、



短歌 遺される Copyright 伊月りさ 2011-11-19 21:06:27
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