感動
nonya


鳩尾から飛び立つ
フラミンゴの羽音を
君に
聞かせてあげたかったけれど

仙骨から這い上がる
虹色の蜘蛛を
君に
見せてあげたかったけれど

せり上がる甘酸っぱい海面で
何を
語ればいいのだろう

そそり立つ鳥肌の山麓で
何を
描けばいいのだろう

半開きの口から言葉が
蒸発している間に
涙目をサングラスで
塞いでいる間に
肩を怒らせて格闘家に
成り切っている間に
似合いもしない優しい人を
演じている間に

アイツはするすると
逃げ出してしまう

アイツはやすやすと
逃げおおせてしまう




自由詩 感動 Copyright nonya 2011-11-19 11:10:24
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