春はGじゃん
salco
春はGじゃん。卒業生の賞状筒携へてときめく去りぎは、風も温みて、
毛織物など藍の内にこそ重ぬれば綿の膝丈袴ひらめきたる。
夏はのーすり。日頃の腕立てすればさらなり、きゃみもなほ。肩口より
白きかひな浅黒きかひな伸びやかに出でたる、ぱっつんぱっつん太やかな
るも、ぶにょぶにょ老ひたるも、そはそでをかし。おらおら系がてん系の
むきむきしたるも超をかし。
秋は革。乗馬長靴履きて膝下長く見ゆるに、牛革、羊革など上衣も着
て、未蘭風、紐育人ぶるもつきづきし。巻きて肩掛、中折れ帽子かづきた
るを、なげなりに装ふは、いと難し。思ひ煩ひて、合革洋袴に軍用外套、当直兵編帽子など耐久系、煤け大年増のあやしう御鍋めくは言ふべきに
あらず。
冬は羽毛。雪の降るとも暖まさる外衣あらず、克什米爾のいみじう軽き
も、婆襯衣も、いと寒きに、通夜告別式など火急おきて、本堂斎場に侍り
たるは、いとわびし。精進となりて、ぬるくゆるびもていけば、貼る懐炉
喪服の中にて赤熱あちち。
清掃駄弁