豆電球
梅昆布茶


84歳の母に蛍光灯の豆電球が2つとも切れているのに

と言われた


そうなのだたぶんちょとおかしい彼女とデートするよりも

よっぽど切実なもんだいなのだけれど


ぼくは恣意的に優先順位をずらして生きてきたきがする

飯も食わずに酒を飲んだり

優しさのかけらもないのに妻を犯してきたのかもしれないのだ


認識論は言う

対象は知覚によって生ずる


対象論は言う

生命はたいしょうの知覚によって生ずると


なんだそれタマゴとニワトリじゃん

仏陀はたぶん無始無終と言うかもしれない


どうでもいいことはときにイルミネーションのように光り輝いて魅了するし

よるのホテルの看板みたいなものなのかな


愛はあまく生まれて酸っぱく熟成してやがて

無明に還ってゆくのだろうか


まず豆電球を灯す為に

じぶんをてらすために

はかない知恵をちえであらしめるために

夜のあかりにとまどう蛍なのかもしれない


それでも夜のほてりのなかで息づく

蛍でいたいのかもしれない






自由詩 豆電球 Copyright 梅昆布茶 2011-11-08 23:47:10
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