夜を歩く
吉岡ペペロ

とぼとぼと夜をこぼしながら

中途半端に高いビルに挟まれた通りをあるいた

あなたに見つからないように

ぼくだけの空気を吸うために

やさしくなれるような気がしたのは気のせいか

いっぱいの未来を考えていた


掌の匂いを嗅いだ

あなたの匂いがした

植物の清い匂いだ

傷だらけになった爪

あなたが愛しんで

さわってくれた爪だ

外灯が滲んでいる

お花畑が揺れている

夜がこぼれている


とぼとぼと夜をこぼしながら

中途半端に高いビルに挟まれた通りをあるいた

あなたに見つからないように

ぼくだけの空気を吸うために

やさしくなれるような気がしたのは気のせいか

いっぱいの未来を考えていた









自由詩 夜を歩く Copyright 吉岡ペペロ 2011-11-02 00:00:55
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