【 pulse 】
泡沫恋歌

ひらひらと
群青の夜空に舞う
暗闇の蝶――蛾。
揺蕩うように 揺らめくように
滲んだ月に 白い影が踊る

「今宵の闇は深く
 あなたの声も聴こえない」

女は
蒼い月影のランプで手元を照らし
光るノートにコトバを打ち込もうとする
それは形容詞たちに
命を吹き込む作業だった

夢幻の辞書の捲れば
そこにはまだ知らない
真理があるはず

コトバは祈りではない

数多の波動 この身に受けて
パルス 脈拍 身体を巡る血液が
律動的に変化する フォルティッシモ


ちらちらと
誘蛾燈の灯りが煌めく
暗闇の蝶――蛾。
儚くも 激しくも
焔に翅を焼かれ 墜ちていく

「深層に投げ込まれた
 あなたの言葉が牙を剥く」

彼女は
星屑の鏡に己を映し
内なる宇宙と会話する
そこにはコトバにならなかった
インスパイアが漂っていた

深く瞑想すれば
きっと見えてくるはず
創作に終わりはない

新たな1頁を書きこもう

月の瞬き 群青の空を照らす
パルス 符号 進化する思想たち
ニュートリノは光より早く!



自由詩 【 pulse 】 Copyright 泡沫恋歌 2011-11-01 17:44:04
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
「詩人サークル 群青」