群青
たもつ

死にたいな、
群青
産まれてから今まで
食べたバナナの数を計算すると
予想より多くて
思っていたより少ないから
どんな気持ちになってよいのか戸惑う
親父はすっかりまだらボケ
時々俺を誰かと間違えるようにまでなった
背中の斜面
太陽の灯火
可愛がってくれた野口さんは
転んだ拍子に死んじまった
たーちゃんはいい子だね、
たーちゃんはいい子だね、
でもね、野口さん
たーちゃんはいい大人にはなれなかったよ
それでも生の端っこにしがみついて
俺を殺さないでくれ、と
何かに懇願するんだろう
空も風も
何であんな所にありやがる
死にたいな、
群青
死にたいな、
群青



自由詩 群青 Copyright たもつ 2011-10-29 18:20:08
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