高原へ行く列車の窓で
梅昆布茶

風景は音楽のようにながれる

車窓を光のトンネルが通過して

次の小さな駅に停車する


僕の頭の中には今も何もないな

心の揉め事は置いてきてしまったそんな午後

発車の合図がなってまたゆるゆると

時間が立ち上がり僕は車窓の人


ときどきは林が開けて紅葉の裳をまとった山並みと

点々といとなむ民家などが暖かい

忘れてしまった旅ごころってやつなのかな


突然青い花の群生が僕の視覚を奪う

それはかつて一緒に遊んだトルコの若者の瞳のように

遥かな想いへいざなう


もうしばらく列車は登り続けるのだろう

孤独な魂を慰める高みへと




自由詩 高原へ行く列車の窓で Copyright 梅昆布茶 2011-10-29 06:32:30
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