無題
ぎよ

薔薇の耳をもつ女は砂浜で白い夢を見る。彼女には鏡の中に見失われた星が寄り添っている。彼女が呼吸をする度僕の瑪瑙の眼の中を一陣の風が吹き抜ける。燐光を放つ青春の残滓は大地に星座を描く。僕は振子時計が向日葵を愛するように彼女を愛する。けれども愛は瀑布を滑り落ちてゆく。


自由詩 無題 Copyright ぎよ 2011-10-27 22:37:00
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