痛み
ballad

私は、水没した一つの古代都市、
そしてその記憶を、子宮に、抱いて
産み落とすための機関全体の名前
私は副産物、男が生み出された後に
破棄された一つの悲しみ
悲しみは退屈
椅子に座ったままの誰かと一緒
雨の日に炭酸水をほっぺたにくっつける
はじける音の中で私の記憶がよみがえって
早く妊娠しなきゃと思う

お前はくだらないことを延々と述べて
どこまでいっても退屈そうな顔をしているな
なんて囁く様にそして罵る
窓の外の絵
この部屋には絵は飾れない
絵は私のものではないのだから

私に与えられた最後の水、水滴、水泡
そして水の流れ出る音が窓の外で大きくなっていく
うなだれるのは次は私の番
囁くものにそっと息を吹きかける

私は一つの寝そべったままの男
そして七日後に夢を見たために追い出される悲しみ


自由詩 痛み Copyright ballad 2011-10-26 23:23:47
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