日曜日に別れを告げて
春日線香

あの人が欲しいと猫に頼んでも黙殺される血の日曜日

空色のホースの中をのろのろと運ばれていく真っ赤な金魚が

人のいない午後は眠くて寂しくてひよこを埋葬するにはぴったり

淡々と折りつづければ世の中がわかる気がする人形の指

陽が落ちて柱時計と音楽とコスモスがそっと人間をやめた

七人の姉妹は歯医者の子供らにサボテンを投げ終夜楽しむ

金星が心臓みたいに鼓動する うつくしい闇 うつくしい闇

銀色のかさぶたになる 自分から起立礼とはまだ言えないけれど


短歌 日曜日に別れを告げて Copyright 春日線香 2011-10-25 12:06:30
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