空白ホッチキス
灰泥軽茶

無為に過ごしたければ
ホッチキスを何も閉じず
ただひたすら

カシャコン

鳴らせばいい

鳴らせば鳴らすほど
無為は過ぎていき
床には無残にも
何も閉じられずに果てた
ホッチキスの芯たちが散っている

なにも感じず

心の空白だけがはっきりと見えはじめたら
またホッチキスを何も閉じず
ただひたすら

カシャコン

鳴らせばいい


自由詩 空白ホッチキス Copyright 灰泥軽茶 2011-10-24 01:08:44
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