衛星の秋
梅昆布茶

ひと気の無い遊園地の回転木馬は何の夢をみているのだろうか

つまらないことで君を傷つけてしまったり

幼稚な振る舞いを見せびらかしたり

いま秋は深まる


間違いなく哀しみはやって来るだろう

生きることが切ない日には君とプラネタリウムに行こう

自転車に乗って河原の道を走ろう


僕の自由は君をめぐる衛星でしかないのかもしれない

柔らかな時間と距離は空に溶けてゆく


大切なものをまた喪うのが怖くて

コスモスが咲いている光のなかを

手を繋いで歩き続けたいのだけれど

行き先のないバスは空っぽなのだな


衛星の秋はなごやかにやってきては

またとめどなく歩み去ってゆくのだろう

切なさだけを残して

はかなく










自由詩 衛星の秋 Copyright 梅昆布茶 2011-10-23 09:09:50
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