まだ十月なのに五時半なのに
木原東子

今日2011年10月22日、
夕べ5時20分なのに暗い

冬至までふた月もあるのに
隣りの雨戸が静かに引かれた
5時過ぎれば明かりを点けて
籠って私的な時間となるのだろう

うちに何とて守るものもないのだが
こっそり外を覗く、本当に夜が来るのかと

夕焼けもなかったし青い雲が空一面覆っていたし
カラスすらねぐらに戻ったらしい
影となった家々の窓はそれぞれの生活をかくす
ステンドグラスのように

うちに何とてかくすものもないから
ガラスの家を借りたのだ

月よ姿を見せて、ここを照らして
鵙よ少しやすんでいいから
何も無いよ
透き徹った泡がうろうろしてるだけ

何の返事も無いし、雨戸を閉めよう
明日が開けるまで、ふとんにくるまって
みんなが幸せでいるように祈ろう


自由詩 まだ十月なのに五時半なのに Copyright 木原東子 2011-10-22 18:44:52
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