秋は遠く、近く
うめぜき




腐った樹木に自転車が腰掛けていた

秋の日差しは柔らかく土を暖めている

君の空には手が届かない



遠くに踏み切りの音が響いては、消えていく

その旅に置き去りにされていく駐車場の広いコンビニエンスストア

君の空の断片はいつも視界の片隅の何処か



君の家の屋根やベランダや庭や家屋や

それらがすべて夕暮れに呑まれそうになれば

君の空はきっと宇宙を拓き始めていく



川のせせらぎが夜に鳴いている

ピアノの練習曲とテレビとが調和していけば

君の空と僕の空は

きっと何処かで重なっている






自由詩 秋は遠く、近く Copyright うめぜき 2011-10-19 02:59:00
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