「遂には雨まで降り出したわけで」自由律十伍篇
faik
気が付けばまたルーターの点滅を凝視している
人の意見を覆す度量がないばかりに口癖が「確かに」
言うほど気にしてないことを人に言われてがっつり凹む
どうしても言いたいほどの意見も意気地もありません
チャリに驚き飛び去った鳥に思わず口をついて出たごめん
なんとかなるよでなんとかなったことが残酷なほど少ない
相槌を打ちすぎて怒られた
相槌を打たれすぎて話す気を無くした
記憶力がないというよりは覚える気がないんです
過去を美化する癖を治して来たる未来を侮蔑する
上手だねという貴方の褒め方のほうがよっぽど上手だよ
またひとりで思い出してひとりで笑ってた
またテレビに向かって格好つけてしまった
睨んでたんじゃなくて見とれてたんですとは言えない空気だもう
遂には雨まで降り出したわけで
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つまるところ無難な毎日(自由律俳句・短歌集)