「遂には雨まで降り出したわけで」自由律十伍篇
faik

気が付けばまたルーターの点滅を凝視している


人の意見を覆す度量がないばかりに口癖が「確かに」


言うほど気にしてないことを人に言われてがっつり凹む


どうしても言いたいほどの意見も意気地もありません


チャリに驚き飛び去った鳥に思わず口をついて出たごめん


なんとかなるよでなんとかなったことが残酷なほど少ない


相槌を打ちすぎて怒られた


相槌を打たれすぎて話す気を無くした


記憶力がないというよりは覚える気がないんです


過去を美化する癖を治して来たる未来を侮蔑する


上手だねという貴方の褒め方のほうがよっぽど上手だよ


またひとりで思い出してひとりで笑ってた


またテレビに向かって格好つけてしまった


睨んでたんじゃなくて見とれてたんですとは言えない空気だもう


遂には雨まで降り出したわけで


短歌 「遂には雨まで降り出したわけで」自由律十伍篇 Copyright faik 2011-10-17 00:06:44
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つまるところ無難な毎日(自由律俳句・短歌集)