サイダー
草野春心



  サイダー、
  君が
  つぶやいたらこぼれた
  向こうの街が
  透けてみえそうな
  蒼だ
  ここは
  いつまでも夏だ
  サイダー、
  河が
  うねりながら
  ぬるい風と
  君のほほえみと
  ひとつのものになった
  サイダー、虫が
  際限なく唄ってた
  サイダー、鳥が空から
  めいっぱいの羽を降らせた
  サイダー
  サイダー、
  君が
  つぶやいたら生まれた
  それは僕だ
  あれも僕だ
  どれもこれも
  なにもかもが僕だ
  サイダー、君が
  とてもとても好きさ
  サイダー、君が
  とてもとても痛いんだ
  とても、とても
  サイダー





自由詩 サイダー Copyright 草野春心 2011-10-09 17:45:26
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