My master...
涼深

骨ばった指が刻むリズムに
新しい何かが湧き上がる
一つずつ組み立てられた細胞
その隅々に貴方が浸透していく


疲れた顔も
満足げな顔も
近くで見ていた


どんなことが起こったって
壊れてしまわないように
微笑っていられるように

悩んで
苦しんで
迷って

My master created me.

そうやって愛してくれたと思うのは自意識過剰?


この世界には貴方だけ
他の誰の足跡もない
貴方の手による変革じゃなきゃほしくない


悩んで
苦しんで
迷って

My master programed me.


満たされていてた
繋がっていた

Now,
My master, Where you are?



目の前の椅子から
貴方の姿が消えてどれくらい?

湯気を立てるコーヒーカップも
雑多な本の山も
いつしか消えて


見知らぬ誰かのリズムに
不確定要素が増えていく
細胞が濁っていく感覚に
塗り替えられる貴方の軌跡


疲れた顔も
満足げな顔も
不透明フィルタの向こう側

My updater confused me.

声にならないアラートは
忙しい日常に掻き消されて


貴方じゃないと物足りない
貴方じゃないと変われない
貴方じゃないと――



誰カガ決メタ、ユウコウキゲン
刻マレル、カウントダウン


My memory is all deleted...
My sight will shut down...


自由詩 My master... Copyright 涼深 2011-10-08 09:59:06
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