冷蔵
草野春心



  集めるものは
  二つあればいいと思い
  待っていたのだが
  一つとしてこなかった



  神無月の午後
  去ってゆくものと
  去っていったものと
  去りつつあるものとが
  冷蔵されているのを感じ
  じっとしていると
  私だけが綺麗だった





自由詩 冷蔵 Copyright 草野春心 2011-10-07 19:06:59
notebook Home 戻る