庭にはいつも
小池房枝
廃園なんてない
庭はいつもそこにある
木の国
虫の国
蟻の国
幾つにも幾重にもひとつに
空のもと
風の中
ひとがいなくても
いなくなっても
おかえりという言葉が
時々わからなくなる
迎える言葉なのか
やさしい命令形なのか
ドアはたいてい長方形の等身大で
蝶つがいが二つついている
たてに並んで
上下に
決して番うことのない一対の蝶ちょ
自由詩
庭にはいつも
Copyright
小池房枝
2011-10-06 20:24:58
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