もうすぐ17歳のきみへ
花形新次

きみの横顔が
僕に似てきたって
ママがいうから
そうかなと思って
眺めていると
僕の視線に気づいたきみは
無言で
遠くの方を指さして

窓から見える
小さな湾を指さして

いつまでもいつまでも指さして

それが、あっち向けのサインなのは
分かっているよ
鬱陶しいんだよね
ひとに見つめられるのが
嫌いなんだよね
ひとの視線が

ごめんよ
だけど今だけ
もう少しだけ許しておくれ

涼しげな目元や
すっとした鼻筋は
僕とは似ても似つかない
まったくの真逆なんだけど・・・・

「なんとなく似てるのよ」

そうなのかな?
だとしたら嬉しいな
親の贔屓目なしでも(ちょっとはあるか)
きみはとっても綺麗な
16歳と11ヶ月の少年だからね

でも、これ以上は似ないでほしいな
出来ることなら
似ないでほしいな

ママもそう言ってたよ


自由詩 もうすぐ17歳のきみへ Copyright 花形新次 2011-09-29 16:44:02
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