芸術家の手
甲斐マイク

ぼくたちは
霧の深いなかを出かけていった

みどりときいろの
あたたかいマテリアルの服を着て
うたかただった

電話がかかってきた
すぐれたいたずらだった

天国のくらやみで
3つのモニュメントを眺めた

うつくしかったり、
はかなかったりした


-昨日あって、今日ないもの 昨日なくて、今日あるもの-


ぼくたちは結婚してもよかった
いっしょに死んでもよかった

映画スタアになってもよかった
魚料理を覚えてもよかった

でも、しなかった 死ななかった
ならなかった 覚えなかった

背中合わせにもたれて
ぼくたちはなにか言いたかった

日付のない日
胸に“7”のタトゥウをした
あの偏愛のティインとの
ながい ながい ながい
1日


自由詩 芸術家の手 Copyright 甲斐マイク 2011-09-27 15:31:29
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