ひとつ 聞こゆ
木立 悟





それを動かせば
すべてが動く
山の裏の光
みどりの



冷たい鉱
白は触れる
空とまばたき
つぶらな音


獣を追う声
壁に消える背
夜の径を
透る横顔


滴の灯がつき
痛み 立っている
雨の音が
横になる


渦と穂波
花のなかの耳
灰に消え青に消え
みどりに眠る


夜の爪切り
見に来る雨
ときどき目を
天井へそらす


縦にまわる夜
同じまだらが幾度も降る
鉱のなかで途絶えるひとつ
花すくう手によみがえる



























自由詩 ひとつ 聞こゆ Copyright 木立 悟 2011-09-19 17:37:14
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