もう外は秋雨
within

掘り起こされた土は
持ち上げようとする僕に抵抗するように
重く

何をすればいいのか
何を蒔けばいいのか
高鳴る鼓動と絶えだえの息を整えながら
僕は鍬に寄りかかる

産まれる前の記憶
そんなものはない
産まれる以前は
僕はあきらかに別物だった

産まれてしまった
生き残ってしまった

彼はそう言っていた
残された者の
孤独の深さを
悲しみの深さを
僕も味わうことになろうとは

もっと深く
もっと深くへ
沈んでいきたい
光の届かぬところへ
声のない淵へ


自由詩 もう外は秋雨 Copyright within 2011-09-16 23:14:08
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