ひとり はざま
木立 悟





過ぎ去る匂い
置く光
地と地の無音
指ひたす空


はじまりの水
灰と青の花
影の無い道
陽の無い朝


どの曲がり角にも
人は居ない
曇と足音
曇と足音


白のような
黒のような緑
窓のむこうの
うすい緑


曇はつづき
足跡は降る
道は途切れ
水は遠い


灰のなかの青緑
鳥のように消えてゆく
朝は一度鳴る
一度だけ鳴る


離れるなと願えば離れ
何も願わなければ
同じ星に居られる
雨と同じ長さだけ


あさ はり くき あさ はり くき
くりかえし崩れ
緑の手のひら
硬い夢の上に散る



























自由詩 ひとり はざま Copyright 木立 悟 2011-09-11 16:40:09
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