四季渡り
四帰
踏み付けてやりたい、この臆病な息遣いを
土のまないたに寝かせて
10本の指で隠しただけの双眸を
なまぬるい血を寄せあつめただけの心臓を
どうせくくりつけられた調理台から逃げることなんて できないのだから
電車がながれるよりも速く
ぼくの足は くものうえを走っていく
昨日へのわすれものか
明日からのエスケープか
もしかしたら止まる方法を知らないのかもしれない
湿った暑さが乾き
訪れる静けさに 蝉たちが凍てつくとき
ぼくの両足はやっと うごくのを止めた
自由詩
四季渡り
Copyright
四帰
2011-09-06 23:39:48