ふぁじぃ
ねなぎ

明け方の赤外が
角膜で入射角を変えるので
フィルター無しの声は
色を失くしたままだった

薄くなるのは
虚ろな憧憬で
指向性を失くして
拡散していく

意識にも上らない
バーストの変調みたいに
思い出せないままに
泳ぎ疲れている

収束を拒否した
繰り返される検討は
実測もされないまま
曇り空に流れて

聞こえた気がした
肌寒い風に
フィードバックされない
日常を思う
測定もされない信号が
喉から漏れている気がした


自由詩 ふぁじぃ Copyright ねなぎ 2011-09-06 05:21:49
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