幸いの虹
服部 剛
自然の水はあふれんばかりに、今日も
泉に湧き、滝から落ち、川を流れ
人間
(
ひと
)
の哀しみさえも
自然に湧き出ずる水の如く
美しい涙の
滴
(
しずく
)
は
君の瞳から、頬を伝うだろう
友よ、窓外をごらん
先ほど迄、世界を洗い流していた
激しい雨のシャワーが嘘のように
雲間からあたらしい太陽は顔を出して
本の
頁
(
ページ
)
を捲るように
地上を覆う巨きな影は
日なたに生まれ変わってゆく
これから君は、きっと探しに往くだろう
この世界の何処かで今・姿を現し
旅人の訪れを待っている
あの幸いの虹を
自由詩
幸いの虹
Copyright
服部 剛
2011-09-04 22:40:37
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