この広い広い空間では
時として滅多にない事が起こる

二次元的にも
三次元的にも
重なる部分は考えられなかった

日々の生活の陰にかすんで
うっかり見落とすところ
すれ違いざまに視線が止まって
静止した

新種の発見か？

解剖学の分厚い教科書も
青ざめてサジを投げ出す思考回路
バラバラにして手にとって
ひとつひとつを眺めてみたい
スルリスルリと移動して
予想の範囲の外の外を
自由気ままに駆け巡る
あげくの果てに
今にも飛びかかりそうな言葉を
傍若無人に解き放つ

これは新種に違いない！

役たたずの教科書を握りしめて
呆然と立ちすくむ

新種の年下の男の子クン