『風早月(かざはやづき)』
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風は止み 
鈴音(すずね)淑(しと)やか
夏の暮れ

蝋燭の 灯り
こうこうと

香の香(こうのか) 漂ふ
寂漠(せきばく)を

頬が 伝ひて
悲(こころ)に 零(お)つる


紅(べに)を点(さ)す
たまののこりは
いきいきと

髪艶やかに
夢路を辿り

訪れ人は
滔々(とうとう)と

流れ過ぎ徃(ゆ)く
年月(としつき)の

在りし日想ふ
うつしみみひて


風早(かぜはや)み
色取る月の
夕の呉

向こふさきへと
川原石

葉月の赤く
うつろひて

欠伸が一つ
木通(あけび)が笑ふ


戻らぬ一夜(ひとよ)
いつか逢いたい


自由詩 『風早月(かざはやづき)』 Copyright こちらに名前を入力してください 2011-09-02 01:25:23
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