爪あとは、ない
竜門勇気


まちをあるいてた
青信号の鳴き声を
きいてるだけだった

つめあとは ない

釣りをもらった
なけなかった
つま先がぐるぐる

つめあとはない

なけなかったんだ
まぶたのまわりから
光が消えて行って
燃えながら冷えていく

嘘が上手だ
例えようもないくらい
触れようがないくらい
絶望的な嘘だ


自由詩 爪あとは、ない Copyright 竜門勇気 2011-09-01 04:01:01
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