ボタンを押したら
AB(なかほど)

  

かゆい
ボタンがある
誰が押すんだと昨日まで思っていたのだが
すこしだけでも忘れさせてくれるのなら
かゆくてもいいかと思う
今は そう思う

それなら
その横のボタンのほうがいいのでは
と 君は言うかもしれない

そんなことじゃないんだよと
今日もいつもと同じボタンを
押して出かける



   昨日を忘れてみる
   明日を忘れてみる
   それを始めてみる
   ちょっとだけ忘れることを始めてみる


   君の言った全てを忘れるほどの
   そんな素敵なボタンではなく

   いつまでも鮮やかすぎる君の笑顔が
   ぼやけるぐらい
   で いい




即興ゴルコンダより



自由詩 ボタンを押したら Copyright AB(なかほど) 2011-08-31 15:06:45
notebook Home 戻る  過去 未来