rabbitfighter

人と人が出会うように
男と女が出会うように
心と心が
出会い
お互いに触れて
重なり
子供が生まれた
彼らはその子を心と名づけた

生まれたとき心は水のようで
差し込む光は透過しながら屈折した

心は毎晩、丸くなって眠る

考えることも出来るし、感じることも出来る
求めることも出来るし、触れる事だって出来る

それでも心は、丸くなって眠る

ごめんね心、君から意味を奪ってしまった
ごめんね心、君から未来を奪ってしまった
君を殺したのは僕だ
生まれたとき君は、水のようだった

僕はあらゆる意味や可能性を憎む
僕はあらゆる思想や命令を憎む
僕はあらゆる法則や秩序を憎む
僕は憎むという感情をすら憎む
それでも僕は、重力から自由にはなれない
たとえどんなに、地球や太陽、その他あらゆる天体から遠く遠く離れようとも
心よ
君のように自由にはなれない
質量を手放し、光速を超えて、ただまっすぐに、宇宙の膨張よりも早く、
何もかも置き去りにして
ひとかけらの星の光も届かない
心よ それはもうひとつの宇宙の始まり また別の宇宙の始まり


自由詩Copyright rabbitfighter 2011-08-29 03:11:59
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