あやをまもる
吉岡ペペロ
だれもあやのことを
あやとはよんでいなかった
それにもめげずにあやはあやだった
あやはなんでじぶんのことを
あやとよんでいたのだろう
あやのぼくがクラスメートだったなら
せんせえにおこられても
ともだちにからかわれても
あやをあやとよんだだろう
いっしょにまっすぐてをあげながら
おうだんほどうをわたっただろう
くるまやかなしみから
ぼくはあやをまもっただろう
あやのメルヘンを
ぼくはまもりつづけていただろう
だれもあやのことを
あやとはよんでいなかった
それにもめげずにあやはあやだった
あやはなんでじぶんのことを
あやとよんでいたのだろう