とれもろ
アラガイs


夕陽のみえる小さな丘には草が生い茂り
一日の終わりは黙ったままで座ってた
さっちゃんはスカートを抱えて後ろ向き
太郎は三つ葉をひとつ、ふたつとちぎりながら
ぼくは寝そべったまま消えかかる空を眺めてた

まぶたはぼんやりと影になり
照らしだされた淡いシルエット
雲にとんぼを追いかけてゆく(太郎
くるり、とさっちゃんは片足を上げて
)ぼくは三色すみれの夢をみた

沈む夕陽の丘に立ち
草に揺れるひとりとひとりの大きさ
走り下ったあの日から
(聞こえるよ
| || 靴のおと
弾けたのは、うつむいたシルエット
だんだん、だん、と
家路が遠く離れてく 。









自由詩 とれもろ Copyright アラガイs 2011-08-22 06:44:52
notebook Home 戻る  過去 未来