こんにゃく
乱太郎

どんでん返しの日常の繰り返しで
あわてて僕は
鍋から落ちそうになったこんにゃくを拾おうとする
わかっているのかな
この僕を
こんにゃくはぬゆりと簡単には掴めない
のっぺらぼうで無愛想
角がつんとしてないのが
おそまつ君なみの愛嬌に思えたりして
大根
はんぺん
ちくわ
たまご
きんちゃく
つくね
みんな黙ってこらえている
ぶくぶく芯から身を煮えたぎらせている
結局は喰われてしまう運命なのに
それでもこんにゃくは
馬鹿なのか
何か御用ですかみたいな顔して

こいつは
明日も生き延びそうだ


自由詩 こんにゃく Copyright 乱太郎 2011-08-19 12:21:01
notebook Home 戻る