カブトムシ観
塩崎みあき

アスファルトは
いまもなお
死後硬直
から
逃れられることが出来ず
深々と刻まれて
轍でコッカク
を保った
その下

黒い
焦土の
においを
塗りつける
コッカク標本
の舌にナメとられた




都市は
外コッカク
で形成されている
虫がバイオリンのごとく
厳かな光をその
体表に掲げ
他者と

表面上
の違いを
訴え続けている
実の所
半ゲル状の
いとも簡単に形を
変えてしまうものです

図案化の
どうしようもなく
進んでいる非常に平面的な
都市




アスファルトはいまもなお
半透明半ゲルの
あてどない
不安を
隠す


自由詩 カブトムシ観 Copyright 塩崎みあき 2011-08-17 11:49:07
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