日曜朝、七色カフェにて
ぶるーびっと

用意

出来ました

丈夫な紐と
足を乗せる台と
遺書を書くための
紙とペン

紐を
電球の傘にくくり
丸いわっかを
下の方で作る

準備万端

そして
遺書 と言うものを書いてみる
書いて
みる

親宛に
こんな情けない息子でも
今日(こんにち)まで励ましてくれた
親に

会社に
失敗ばかりしてた僕を
それでも励ましてくれた上司や
先輩や部下に

友達に
こんな根暗な僕にも友達はいて
やさしく接してくれた
友達に

そして
自分にも
書いてみよう
こんな機会でもなければ
自分宛に手紙など
書かないだろうから
書いてみよう
書いてみよう
書い


そして
それぞれの手紙を
それぞれの封筒にしたため
宛名を書く
遺書の場合でも
宛名と呼ぶのかどうかは
分からないが

そして
自分への手紙も
封筒にしまった

そうだ
宛名はどうしよう

ここに自分の名前を書いても
読んでくれる人はいない
から
どうし
よう

でも、
もし
この紐が切れて
万が一切れて
僕が死ねなかった場合は
この手紙を
読む
のだろう
こんな
暗い手紙だから
明るい場所で
読みたいな
そうだろう
死ねなかった場合の僕よ

だから
この手紙を読む待ち合わせ場所は
あそこにしよう
もし
僕が死ねなかったら
日曜にあの場所で
この手紙を読もう
昔 一度だけ行った
今の僕には不釣合いだけど
幸せが満ちていた
あの場所で

「日曜朝、七色カフェにて」
僕は封筒にそう書くと
天井からぶら下げた紐に
手を
伸ばした


自由詩 日曜朝、七色カフェにて Copyright ぶるーびっと 2011-08-14 03:02:37
notebook Home 戻る