寄り縋る片蔭(十)
信天翁

はしゃいではいない
      だべってもいない 街なか
どうしたわけか
      申し合わせたように
町内が一斉に半旗を出している
   不幸・不運のそれらしき気配もないのに

そんな 固唾をのんでる市道で
   息をひそめて寄り縋る片蔭があった
     ショッピングカーをひきずりながら        
           カタコトと地祇へ乞い願うように         


自由詩 寄り縋る片蔭(十) Copyright 信天翁 2011-08-12 21:10:13
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