黙祷
たもつ

 
キリンの背中に乗っている間に
世界は終わった
大好きだった人たちも
名前すら知らない人たちも
見慣れた建物も、古代の遺跡も
季節の匂いも
すべて跡形も無く消えてしまった
出来るだけ長い時間をかけて
キリンと一緒に黙祷をした
僕らのいなくなった世界では
キリンと僕のお葬式が
しめやかに執り行われているだろう
 
 


自由詩 黙祷 Copyright たもつ 2011-08-02 19:17:49
notebook Home 戻る